喉の焼けるような痛み・・・痛くて辛い!

喉の焼けるような痛み・・・痛くて辛い!何とかして!!

10年ほど前から、のどの焼けるような痛みでお困りの40代女性の患者様。
最初は、逆流性食道炎と診断されていたが、最近になって非びらん性食道炎と言われ胃酸を抑える薬を処方され服用していたが症状は、変わらず痛みは治らない。と言う状況で来院されました。

【主訴】
この患者様の一番のお困りは、のど(右側)が痛くて仕方ない。
食事が辛い。

【検査】
身体をチェック(触診)させていただくと肝臓の硬さ胃の腫れ(膨満)がみられました。
また、背部をチェックすると腰の張り仙骨左側の圧痛及び肩の張りを確認しました。

【施術】
*初回施術
⓵先ずは身体全体の調整。土台である骨盤調整から入る。
⓶次に肩関節回りをほぐして胸鎖関節(胸鎖靭帯)・放射状胸肋靭帯を刺激する。
加えて右胸郭肋間のポイントを刺激。
これは、呼吸をしやすくする事と食道の通りを良くする。
また、気の滞りをなくす為。
⓷次に肝臓の働きを戻すため足の大腿のポイントを刺激する。(最初は痛くて患者さんは、悲鳴をあげていた。そんなに強くしていないが、肝臓機能が落ちている方には、激痛です。)左前腕のポイントを刺激。(胃の調整)
⓸最後にあたまの整体(頭蓋骨調整)を施して、自律神経と迷走神経を整え1日目の施術終了。
全て手技による施術。(今回のケースでは、はりは施さない。)

*2回目の施術 (3日後)
前回の施術の後ほとんどのどの痛みはなくなってしまった。(患者様、何年も苦しんでいた痛みがなくなったと感激されていた)

施術は前回同様、骨盤調整から始まり肩関節、任脈経(気の流れの調整)、あたまの整体を施して自律神経・迷走神経のバランスを整えた。
今回は、腹部のおなかの調整も最後に入れて内臓(肝臓、胃)の働きを整えた。

*3回目の施術 (1週間後)
前回の施術から1回だけ軽い痛みがあった。施術は前回同様行なった。
あと2~3回の施術の経過を診て主訴は良くなるでしょう。

✩施術のポイント・考察
⓵のどの痛みはどこから⇒右側に痛みがある⇒右半身の異常
⓶触診で肝臓の硬さ
⓷肝は東洋医学の五行(木火土金水)では、木にあたる⇒肝虚
⓸五行の相剋より、木剋土⇒土=胃 胃の部分の腫れを確認
⓹胃実からくる迷走神経反射⇒のどの痛みの原因と考える

このような考え方で施術を組み立てて施術。

★参考資料

*逆流性食道炎とは?
胃液が食道の方向へ逆流してしまうことを胃食道逆流症と言います。
胃液は強い酸性の液体のため、食道に流れると食道の粘膜が傷ついてただれてしまいます。
これを逆流性食道炎と呼びます。
食道の粘膜のただれ(びらん)があっても自覚症状が出ない場合もあります。
反対に、自覚症状が出ていても、食道の粘膜にただれがない場合は、非びらん性胃食道逆流症と呼ばれます。
また、胃液がのどや口に達すると、ぜんそくや口内炎が起こることもあります。
そのまま放置してしまうと、食道がんのリスクも高まるので、できるだけ早期の治療が必要です。

*逆流性食道炎の鍼灸治療(一例)
逆流性食道炎に対する鍼灸治療は、下部食道括約筋の機能向上と消化管全体(食道から腸まで)の動きを高めることを主な目的としています。

1. 後頭下筋群を刺激して迷走神経の働きを高める
後頭部のツボを刺激することで、胃や食道を支配している迷走神経の働きを高め、下部食道括約筋の締まりが良くなり、消化管全体の動きも良くなります。

2. 手や足のツボで食道と胃腸を整える
前腕の手のひら側や足の指の付け根には、代表的な消化器のツボがあります。
感覚が鋭敏な体の末端部を刺激することでも、消化管全体の働きを良くすることが出来ます。

3. 表情筋や頭皮の刺激で副交感神経の働きを高める

交感神経が興奮してしまうと、胃腸の働きが悪くなってしまいます。
顔や頭皮を刺激すると、交感神経を鎮静化させ、副交感神経の働きを高めることが出来ます。
副交感神経を高めることで、消化管全体の働きを正常化できるのです。